「最近、従業員のミスが多い」「集中力が続かない」「事故リスクが心配…」。
もし企業でそんな悩みが増えているなら、原因は“睡眠”にあるかもしれません。

特に、睡眠中に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、
自覚しにくいにも関わらず生産性・安全性・医療費に大きな影響を及ぼす疾患です。

この記事では、臨床検査技師・健康管理士として企業の健康支援に取り組む筆者が、
SASが企業に与える影響をわかりやすく解説します。


SASは「いびきの問題」ではなく企業リスク

SASは、睡眠中に何度も呼吸が止まり、酸素が不足することで日中の眠気・集中力低下・判断力低下を引き起こします。
その結果、以下のような企業リスクにつながります。

  • 業務効率の低下(生産性ダウン)
  • ヒューマンエラーの増加
  • 交通事故・作業事故のリスク上昇
  • 医療費・休職リスクの増加

特に運送業・製造業では“SASによる事故”が社会的問題になるほど。
企業として無視できない健康リスクなのです。


生産性を10〜30%低下させる「眠気」と「集中力障害」

SASによって睡眠が分断されると、どれだけ長く寝ても身体は「深く休めていない」状態になります。
その結果、翌日の業務で以下のような状態が現れます。

  • 集中が続かない
  • 判断が遅い
  • ミスが増える
  • 疲れが抜けない

研究では、SAS患者は健常者に比べて20〜30%パフォーマンスが低下するという報告があります。
これは働く時間の3割が無駄になるレベルです。


放置すると心血管疾患・脳卒中リスクが上昇

SASは単なる眠気の病気ではありません。
高血圧、心不全、不整脈、脳卒中、糖尿病とも深く関係していることがわかっています。

特に「夜間の無呼吸 → 低酸素 → 血管への負担」が続くと、循環器疾患の発症リスクが一気に上がります。
その結果、企業としては以下の影響が出てきます。

  • 医療費の増加
  • 従業員の長期欠勤
  • 健康診断の異常項目の増加

つまり、SAS対策は企業にとっても立派な健康投資なのです。


SASリスクが高い人の特徴

  • いびきが大きい・呼吸が止まると言われた
  • 日中の強い眠気
  • 起床時の頭痛
  • 肥満傾向(BMI25以上)
  • 高血圧・糖尿病・脂質異常症がある

一見健康に見える人でもSASが隠れているケースは多いため、
企業として定期的なチェックが有効です。


企業がすぐに取り入れられるSAS対策

  1. 従業員のセルフチェックアンケート(眠気・いびき・生活習慣)
  2. 睡眠に関する社内セミナー
  3. 必要な従業員の簡易検査(スクリーニング)
  4. 生活習慣の改善サポート

中でも、スクリーニングは「気づき」に直結するため、健康経営の一歩目として有効です。


まとめ|SAS対策は“企業の未来”への投資

SASは見逃されやすい一方で、企業の生産性、事故リスク、医療費などにも大きな影響を与えます。

従業員の睡眠を守ることは、企業を守ること。

専門家のサポートを取り入れながら、早めの気づきとケアが大切です。


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