「働きやすい職場にしたい」
そう考えていない社長はいないと思います。

しかし一方で、働きやすさを勘違いした結果、会社の力が落ちていく——そんなケースを、現場で何度も見てきました。

しかもそれは、急激ではありません。
静かに、気づかないうちに進んでいきます。


働きやすさ=甘さ、ではない

働きやすさという言葉は、便利であるがゆえに誤解されがちです。

  • 厳しいことを言わない
  • 無理をさせない
  • 責任を軽くする

これらは一見、社員想いに見えます。
しかしそれは、働きやすさではなく、働きにくさを生むこともあります。

なぜなら、責任が曖昧になった職場は、現場の判断が止まりやすくなるからです。


甘えは、責任を軽くする

人は、責任が曖昧になると判断力が鈍ります。
「誰かが何とかしてくれる」状態では、成長も起こりにくくなります。

結果として、次のような変化がじわじわ現れます。

  • 判断が遅くなる
  • ミスが増える
  • 主体性が薄れる
  • 改善提案が出なくなる

これらはすべて、会社が弱くなる前兆です。
しかも怖いのは、数字より先に空気が変わることです。


働きやすさは「責任を果たしやすくすること」

では、本当の働きやすさとは何か。

それは、
責任を軽くすることではなく、責任を果たしやすくすることです。

例えば、こんな環境です。

  • 情報が整理されていて、必要な情報にすぐ辿り着ける
  • 判断基準が共有されていて、迷いが減る
  • 業務の優先順位が明確で、手戻りが少ない
  • 相談できる導線があり、不安が放置されない

責任を果たしやすい環境は、社員を守ります。
同時に、会社の成果を守ります


会社が弱くなるサインは「静か」に現れる

会社が弱くなる時、派手な事件は起きません。

  • 会議で意見が出なくなる
  • 指示待ちが増える
  • 報連相が“形式だけ”になる
  • なんとなく空気が重い

これらはすべて、会社の体力が落ちているサインです。

「忙しいから仕方ない」
「最近の若い人はそういうもの」

こうやって理由をつけて放置されると、静かに弱くなります。
そして気づいた時には、採用・育成・離職のコストが膨らみます。


社長が最初にやるべきこと

いきなり制度を変える必要はありません。
まずは、次の問いを持つことが最優先です。

「今の職場は、責任を果たしやすい環境になっているか?」

ここに気づける社長の会社は、
静かに、しかし確実に強くなっていきます。


まとめ

働きやすさを整えることは、社員のためだけではありません。
会社を守るための投資です。

次回は、
「責任を果たしやすい職場」をつくるために、社長が今日からできる具体策
を、チェックリスト形式で整理します。

——Day3へ続く。