「最近、なんとなく会社の空気が重い」「ミスが増えたわけではないのに、雰囲気がギスギスしている気がする」。
そんな違和感を一番早く察知するのは、現場の近くにいる総務・人事の方ではないでしょうか。

雰囲気が悪くなったとき、つい「コミュニケーション不足」や「性格の合う・合わない」のせいにしがちです。
しかし、健康経営の視点で見ると、会社の雰囲気を悪くしている原因の多くは、実は社員の“見えない不調”にあります。

この記事では、総務が押さえておきたい「健康の落とし穴」と、その対策について整理します。


1.会社の雰囲気が悪くなるときに起きていること

① 表情が暗くなり、笑い声が減っていく

雰囲気が悪くなっている職場では、まず笑顔と雑談が減るという変化が起こります。
ちょっとした冗談に反応が薄い、昼休みも静か、ため息が増える…。こうした小さなサインは、「もう限界です」と言う前の段階で現れます。

② ミスやトラブルが“じわじわ”増える

次に増えてくるのが、確認漏れ・入力ミス・勘違いなどの小さなトラブルです。
大きな事故ではなくても、「またやり直し」「また同じところで引っかかる」が続くと、社内の不満やイライラを生みやすくなります。

③ 誰も悪くないのに「なんとなくギスギス」する

こうした状態が続くと、「誰が悪いわけでもないのに、なんとなく居心地が悪い」空気が出来上がります。
この段階で原因を人間関係だけに求めてしまうと、本質を見失ってしまいます。


2.その雰囲気、実は“健康の落とし穴”かもしれません

① 睡眠不足・疲労蓄積が感情を不安定にする

睡眠不足や慢性的な疲労は、イライラ・不安感・やる気の低下として表面に出てきます。
「ちょっとしたことでカッとなる」「以前より落ち込みやすい」といった変化は、性格ではなくコンディションの問題であることが少なくありません。

② 胃腸の不調や頭痛も、雰囲気に影響する

便秘・下痢・胃もたれ・頭痛・肩こり…。
こうした身体の“なんとなく不調”を抱えたまま働き続けていると、自然と表情が曇り、集中力も落ちます。
結果として、同僚とのちょっとしたやり取りが負担に感じやすくなり、会社全体の空気にも影響していきます。

③ 「病院に行くほどではない」不調が一番厄介

総務・人事にとって難しいのは、これらの多くが病院に行くほどではないレベルから始まることです。
休職者や長期の病気が出てから対応するのでは遅く、実際にはそのずっと手前でサインは出ています。


3.総務が見落としがちな“健康の落とし穴”

① 「制度を用意したから大丈夫」と思ってしまう

健康診断・メンタル相談窓口・ストレスチェックなど、制度を整えることはとても大切です。
しかし、「制度がある=使われている」「機能している」ではありません。
総務としては、実際に利用されているか・結果がどう活かされているかに目を向ける必要があります。

② 残業や業務量の影響を軽く考えてしまう

「忙しい時期だから仕方ない」で終わらせてしまうと、慢性的な疲労が積み重なります。
残業時間や業務量の偏りは、メンタル不調の“前段階”としてチェックすべき重要な指標です。

③ “なんとなく不調”をすくい上げる仕組みがない

「元気ないね」「最近どう?」と声をかけられる上司ばかりではありません。
職場の雰囲気が悪くなる前に、“言葉になる前の変化”を拾える仕組みをつくることが、総務の大きな役割になります。


4.総務が押さえておきたい、今日からできる対策

① 月1回のシンプルな体調アンケート

難しいものではなく、

  • 最近、疲れやすいと感じますか?
  • 睡眠の質はいかがですか?
  • お腹や胃の調子はどうですか?

といった数問のチェックでも十分です。
傾向を把握するだけでも、「どの部署で不調が多いのか」「季節による変化はあるのか」が見えてきます。

② 相談しやすい窓口と空気づくり

総務・人事が「話しかけやすい」と感じてもらえることも大切です。
「いつでも相談していい」「小さなことでも大丈夫」と、社内に繰り返し発信していくことで、早めの相談につながります。

③ 健康状態の“見える化”を取り入れる

アンケートだけでなく、必要に応じて専門家と連携した健康チェックも有効です。
超音波(エコー)などを活用することで、内臓の負担や生活習慣の影響を可視化することができます。

数字や画像で自分の状態を見ることで、社員自身の「気をつけよう」が自然と増え、会社全体の雰囲気も少しずつ変わっていきます。


5.まとめ:総務が変化に気づけば、会社の空気も変わる

会社の雰囲気が悪くなっているとき、
その裏側には社員一人ひとりの“見えない不調”が隠れていることが少なくありません。

総務・人事は、制度を整えるだけでなく、

  • 小さな変化に気づくこと
  • 不調のサインを拾う仕組みをつくること
  • 必要に応じて専門家と連携すること

によって、会社の空気をより良い方向に導くことができます。

もし今、「なんとなく雰囲気が悪い」「不調を抱えた社員が多い気がする」と感じているのであれば、
それは健康経営に一歩踏み出すタイミングかもしれません。

総務・人事の一歩が、会社全体の変化につながります。