ストレスは気合で消えない。体に痕跡が残る
「気の持ちようだ」
「考えすぎなければ大丈夫」
「休めば何とかなる」
ストレスについて、私たちはこうした言葉をよく使います。
そして実際、気合で乗り切れてしまう場面もあります。
だからこそ、
ストレスは“心の問題”だと捉えられがちです。
しかし、身体の視点から見ると、
ストレスは決して曖昧なものではありません。
ストレスは、確実に身体に残ります。
ストレスは「感じた時点」で身体に作用する
ストレスは、
強い不安や恐怖を感じたときだけに起きるものではありません。
判断を急かされる。
責任が集中する。
常に考え続けなければならない。
こうした状態が続くと、
身体はそれを「負荷」として認識します。
重要なのは、
ストレスを自覚しているかどうかではありません。
感じた瞬間に、身体はすでに反応している
という点です。
気合が効くのは「一時的」な場面だけ
短期間であれば、
人は気合で乗り切ることができます。
集中力を高め、
多少の無理をしても、
成果を出すことは可能です。
しかしこの状態は、
身体にとっては「非常事態」です。
回復よりも、
耐えることを優先している状態だからです。
この非常事態が長く続くと、
身体は元の状態に戻れなくなります。
ここで初めて、
ストレスは“消えないもの”に変わります。
ストレスは、目に見えない形で蓄積する
ストレスが厄介なのは、
溜まっている実感が持ちにくい点です。
痛みがあるわけでもない。
熱が出るわけでもない。
検査で異常が出るわけでもない。
それでも身体の中では、
緊張が続き、
回復のスイッチが入りにくくなっています。
血流。
内臓の動き。
自律神経の切り替え。
こうした機能は、
静かに、しかし確実に影響を受けます。
「休んでいるのに疲れが抜けない」理由
ストレスが溜まった状態では、
休んでも回復しにくくなります。
寝ているはずなのに、
朝から疲れている。
休日があっても、
気持ちが切り替わらない。
これは意志の問題ではありません。
身体が、
休むモードに切り替えられなくなっている状態です。
つまり、
ストレスは「消えない」のではなく、
「処理できなくなっている」のです。
会社では「見えない不調」として現れる
この状態が続くと、
会社では次のような変化が現れます。
集中力が続かない。
判断が遅れる。
ミスが増える。
Day7で触れた
「ミスが増える」という現象や、
Day8の
「売上の前に空気が変わる」という話は、
この身体の状態と深くつながっています。
ストレスは、
いきなり欠勤や離職として現れるわけではありません。
まずは、
パフォーマンスの質として現れます。
ストレスを「個人の問題」にすると、必ず繰り返す
ストレスを
「本人のメンタルの弱さ」や
「気の持ちよう」として処理してしまうと、
同じことが必ず起きます。
なぜなら、
ストレスを生み出している構造が変わっていないからです。
業務量。
判断の集中。
責任の偏り。
これらがある限り、
誰かの身体に、
同じ痕跡が残ります。
ストレスは、
個人の問題ではなく、
構造の結果です。
ストレスの痕跡は、会社の限界を教えてくれる
身体に残るストレスの痕跡は、
会社にとって不都合なものかもしれません。
しかし同時に、
それは非常に正確な情報でもあります。
どこまでなら無理が通用するのか。
どこから先は破綻するのか。
その境界線を、
身体は先に教えてくれます。
気合で消えないからこそ、
ストレスは見逃してはいけないのです。
まとめ:ストレスは、経営判断の材料になる
ストレスは、
気合で消せるものではありません。
消そうとすればするほど、
身体には痕跡として残ります。
その痕跡は、
社員個人を責めるためのものではなく、
会社の構造を見直すための材料です。
次の章(Day15)では、
ストレスが腸や睡眠にどう影響し、
判断力をどこまで落とすのかを掘り下げていきます。
