小さな不調を拾える会社は、強い
強い会社には、いくつかの共通点があります。
売上が伸びていることや、優秀な人材がそろっていること、制度が整っていること。
これらも確かに要素の一つです。
しかし、それ以上に決定的な違いになるのが、
「問題になる前の違和感を、どれだけ拾えているか」です。
大きなトラブルが起きてから動く会社と、
まだ誰も困っていない段階で手を打てる会社。
この差は、時間が経つほど大きくなります。
不調は、必ず「前触れ」を伴っている
人の体調でも、組織の状態でも、不調は突然起きるものではありません。
倒れる前には、必ず小さなサインがあります。
眠りが浅くなる。
集中力が落ちる。
判断に時間がかかる。
同じミスを繰り返す。
これらは「まだ働けている」状態でも、確実に出てくる変化です。
職場でも同じことが起きています。
・雑談が減る
・報告が必要最低限になる
・反応が遅くなる
・表情が乏しくなる
どれも、単体では問題にならないレベルの変化です。
だからこそ、多くの会社では見過ごされる。
しかし、強い会社はここを見逃しません。
「問題が起きていない」は、安全を意味しない
経営の現場でよく聞く言葉があります。
「特に問題は起きていません」
「今のところ、大丈夫です」
一見すると安心できる報告ですが、
実はこれは最も情報量の少ない言葉でもあります。
なぜなら、不調の多くは「問題」として報告される前に、
行動や空気の変化として現れるからです。
声が上がっていない=問題がない、ではありません。
声が上がらなくなった状態こそ、
注意が必要なフェーズ
だと捉える会社は、対応が一段早くなります。
強い会社は「異常」を探していない
小さな不調を拾える会社は、
トラブルや異常を探し回っているわけではありません。
注目しているのは、
「いつもと違う」という感覚です。
・今日は少し静かだ
・反応が鈍い
・疲れが抜けていないように見える
これらは数値には表れにくく、
マニュアルにも書きにくい情報です。
しかし、こうした感覚を無視しない組織は、
問題が形になる前に、調整ができます。
強さとは、異常に強いことではない。
変化に気づけることだ。
小さな不調を拾える会社の共通点
小さな不調を拾える会社には、いくつかの共通した前提があります。
まず、「常に好調であるべきだ」という幻想を持っていません。
人には波がある。
仕事にもムラがある。
調子が落ちる時期があるのは自然だ。
この前提があるからこそ、
不調を否定せず、観察対象として扱えます。
次に、責めない空気があります。
調子が悪いことを伝えても、
評価が下がる、能力を疑われる、
という恐れが少ない。
不調は「管理対象」であって、
「失敗」ではない
という共通理解が、組織にあります。
拾える会社は、調整が早い
小さな不調を拾える会社は、対応がとにかく早いです。
ただし、やることは意外と地味です。
仕事量を少し調整する。
役割を一時的に軽くする。
確認の頻度を少し増やす。
これだけで回復するケースは、想像以上に多くあります。
大事なのは、
「完璧な対策」ではなく
「ズレを放置しないこと」
です。
小さな不調を拾えない会社で起きること
逆に、小さな不調を拾えない会社では、
どうなるでしょうか。
違和感は放置され、
やがて誰の目にも分かる問題に変わります。
欠勤が増える。
離職が起きる。
生産性が落ちる。
この段階で初めて、
「問題だ」と認識されます。
問題が見えるようになった時点では、
すでにコストが大きくなっている
というケースは少なくありません。
強い会社は「拾う力」を仕組みにしている
小さな不調を拾う力は、
個人の感覚だけに頼ると属人化します。
だから強い会社は、
この力を仕組みに落としています。
・短時間の定期面談
・簡単な状態チェック
・雑談の時間
・現場を見る習慣
どれも派手ではありません。
派手でない仕組みほど、
長く機能する
ということを、経験的に知っています。
まとめ:強さは「予兆への感度」で決まる
強い会社は、
大きな問題を未然に防いでいます。
それは、特別な制度があるからではありません。
小さな不調を、
小さいうちに拾っているから
です。
次の章(Day29)では、
「働きやすさ」とは何なのかを、
責任という視点から整理していきます。
