福利厚生を増やしても、職場は良くならない
職場環境を良くしたい。
社員に長く働いてほしい。
そう考えたとき、
多くの会社がまず思い浮かべるのが
福利厚生の充実です。
健康診断の拡充。
フィットネス補助。
食事補助や休暇制度。
どれも、
社員のことを考えた取り組みです。
しかし現実には、
福利厚生を増やしても
職場の空気が良くならない会社は
少なくありません。
福利厚生は「不満を減らす」施策
福利厚生が果たす役割は、
とても明確です。
それは、
不満を減らすことです。
「他社より条件が悪い」
「待遇面で損をしている」
こうした不満を和らげる効果は、
確かにあります。
しかし、
不満が減ることと、
職場が良くなることは
同じではありません。
福利厚生は、関係性を変えない
福利厚生が増えても、
仕事の進め方は変わりません。
判断が一部に集中している構造。
相談しづらい空気。
沈黙が続く職場。
こうした日常の構造は、
福利厚生では変えられません。
Day16〜18で見てきた
沈黙や限界の問題は、
待遇の問題ではなく、
関係性と構造の問題だからです。
「いい制度があるのに辞める」理由
福利厚生が充実しているのに、
社員が辞めていく。
このとき、
会社側は戸惑います。
「条件は整えているのに」
「なぜ評価されないのか」
しかし社員が見ているのは、
制度そのものではありません。
日々の仕事で、
安心して意見を言えるか。
無理が続いていないか。
ちゃんと見てもらえているか。
職場の“実感”が、
最終的な判断材料になります。
福利厚生が効く会社、効かない会社
同じ福利厚生でも、
効果が出る会社と
出ない会社があります。
違いは、
福利厚生を
「土台の上」に乗せているかどうかです。
日常の業務が回っている。
役割が整理されている。
相談できる空気がある。
こうした土台がある会社では、
福利厚生は意味を持ちます。
逆に、
土台が不安定なままでは、
福利厚生は“飾り”になります。
福利厚生が「逃げ道」になることもある
福利厚生を増やすことで、
別の問題が見えにくくなることもあります。
「制度は整えている」
「やることはやっている」
そう思えることで、
本来向き合うべき
業務量や関係性の問題が
後回しになる。
福利厚生が、
変えるべき構造から
目を逸らす理由になってしまうのです。
職場を良くするのは、日常の設計
職場の雰囲気は、
福利厚生で決まるものではありません。
日々のやり取り。
判断の流れ。
声を上げたときの反応。
こうした
日常の積み重ねが、
職場の空気を作ります。
福利厚生は、
その環境を補強する存在です。
主役にはなりません。
福利厚生は「最後」に効く
福利厚生を否定しているわけではありません。
順番の話です。
まず整えるべきは、
業務の設計。
負荷の分散。
早めに介入できる仕組み。
それができてから、
福利厚生を重ねる。
そうすれば、
福利厚生は
確実に効果を発揮します。
まとめ:福利厚生は答えではない
福利厚生を増やしても、
それだけで職場は良くなりません。
福利厚生は、
職場を良くするための
条件の一つにすぎません。
次の章(Day21)では、
社長が「見ないこと」を
選んでいる問題について
掘り下げていきます。
