社員は本当に「甘えている」のか?

― 社長が感じているその違和感の正体 ―


「最近の社員は甘えている」

多くの社長が、口には出さなくてもそう感じています。

  • すぐに疲れたと言う
  • 体調不良を理由に休む
  • 昔なら当たり前にやっていたことを、やりたがらない

「自分の若い頃はもっと働いていた」
そう思うのは、決して間違いではありません。

でも一方で、社長自身もどこかで「本当にそれだけの話なのか?」という違和感を感じていないでしょうか。

社員が甘えたのではない。環境が変わっただけです

まず、はっきりさせておきたいことがあります。

今の社員は、特別に弱くなったわけではありません。
働く環境と、背負っている負荷の質が変わっただけです。

  • 情報量は昔の何倍にも増え
  • 判断スピードは常に求められ
  • ミスは即、評価や信頼に直結する

気合や根性で乗り切れた時代とは、土俵が違います。

それでも会社は止まらない。
だから社員は、静かに無理を重ねるようになります。

「甘えているように見える」社員の正体

現場でよく見るのは、こんな社員です。

  • 以前より口数が減った
  • 集中力が続かない
  • ミスを必要以上に気にする
  • 「大丈夫です」としか言わない

これを「やる気がない」「甘えている」と捉えると、社長と社員の距離は一気に広がります。

しかし実際には、責任を果たそうとして、限界に近づいている状態であることが少なくありません。

見えない損失は、もう始まっている

社員が倒れたり、辞めたりしてからでは遅い。

その前に、会社ではすでにこんな損失が起きています。

  • 判断の質が落ちる
  • 小さなミスが増える
  • 職場の空気が重くなる
  • 周囲の社員がカバーに回り疲弊する

これは「甘え」ではなく、会社全体の生産性が静かに落ちているサインです。

社長が背負っている責任の重さ

ここで大事なのは、「社員を守るか、厳しくするか」という二択ではありません。

社長の役割は、責任を果たせる状態を、職場に用意することです。

  • すべてを緩くする必要はない
  • 全員を救おうとしなくていい
  • でも、見て見ぬふりもしない

このバランスを取れるのは、会社でただ一人、社長だけです。

今日の結論

社員は、甘えているのではありません。
責任を果たしにくい状態に、置かれているだけのことがあります。

それに気づいた社長の会社は、強い。
気づかないまま叱り続ける会社は、静かに弱くなっていきます。

社長へ

この話は、社員を守るための話ではありません。

会社を守るための話です。
そして、その判断をできるのは、社長であるあなたしかいません。