「健康経営優良法人は気になるけれど、申請が大変そう」「うちは小さい会社だから無理そう」──札幌の中小企業の経営者さんから、こんな声をよく聞きます。
ですが、結論から言うと健康経営優良法人の取得は決して難しくありません。
むしろ、制度を知らないまま先送りしている方が、採用や信用の面で“じわじわ損をしている”可能性があります。

本記事では、経済産業省が公表しているスケジュールを前提に、

  • 毎年の申請スケジュールの流れ
  • 「今年度の申請」に間に合わせるための最速ルート
  • あえてやらないことで発生する“見えにくい損失”

を、中小企業の目線でわかりやすく整理します。


1.健康経営優良法人は「年1回のチャンス」をどう生かすかの勝負

まず押さえたいのは、健康経営優良法人はいつでも申請できる制度ではない、という点です。申請受付期間が毎年だいたい決まっており、そのタイミングに間に合うかどうかがポイントになります。

■ 年間のおおまかなスケジュール(中小規模法人部門の例)

年度によって若干の前後はありますが、中小規模法人部門ではおおむね次のような流れです。

  • 8月中旬〜10月中旬:申請受付期間(Web申請)
  • 11〜12月:申請料の請求・支払い、内容確認
  • 翌年3月頃:認定法人の発表

たとえば「健康経営優良法人2026」の場合、中小規模法人部門の申請期間は2025年8月18日〜10月17日、認定発表は2026年3月頃と案内されています。
つまり、今から“準備を前倒し”しておけば、その年度の申請に間に合うというイメージです。


2.「最速ルート」は、8月より前にどこまで準備しておけるかで決まる

「最速」と聞くと、“申請してすぐ認定”を想像しがちですが、実際は制度の都合上、認定は翌年3月頃になります。
では、何をもって「最速」とするのか。
現実的には、申請受付が始まったタイミングで、ほぼそのまま申請できる状態にしておくことが「最速ルート」です。

■ 8月前までに終わらせたい4つの準備

  1. 健康宣言の作成・公開
    自社の考え方を簡潔にまとめた「健康宣言」を作成し、ホームページや社内掲示で公開します。
    難しい文章は不要で、テンプレートをベースに30分〜1時間あれば十分に作成可能です。
  2. 現状把握(健診・ストレス・簡易アンケート)
    すでに実施している健康診断やストレスチェックの結果を整理し、必要に応じて簡易アンケートを実施します。
    ポイントは「今の状態を見える化すること」で、特別な分析ソフトは必要ありません。
  3. 健康経営の方針と体制の整理
    経営者・総務・現場リーダーなど、誰が健康経営を推進するのかを決め、会議体や情報共有の流れを簡潔に整理します。
    従業員数が少ない会社ほど、ここはシンプルに決めやすい部分です。
  4. 今年実施する具体的な取り組み案を決める
    例としては、
    ・健康情報の月1配信(社内掲示・社内チャット)
    ・睡眠や腸内環境、メンタルなどのミニセミナー
    ・超音波(エコー)や体組成計を使った健康チェック
    ・希望者面談の導線づくり など。
    この「取り組み案」が申請書の重要な材料になります。

ここまで準備ができていれば、8月中旬に申請受付が始まったタイミングで、ほぼ入力作業だけで申請まで進めることが可能です。


3.「やらない方が損」と言える3つの理由

健康経営優良法人の取得は「取れたらラッキーな勲章」ではなく、正直に言うとやらない方が損とすら言える制度です。その代表的な理由を3つに絞ってご紹介します。

理由1:採用・定着でじわじわ差がつく

求職者、とくに若い世代は「どんな制度がある会社なのか」をよく見ています。
求人票やホームページに健康経営優良法人のロゴがあるだけで、

  • エントリー数が増えやすい
  • 応募前の不安が減る
  • 入社後の安心感につながる

といった効果が期待できます。逆に、同業他社が認定を取っているのに自社は何もしていないと、知らないうちに採用競争で不利になっていきます。

理由2:体調不良やメンタル不調による“隠れコスト”を減らせる

従業員の不調は、医療費や休職だけでなく、生産性の低下や離職リスクとして企業の負担になります。
健康経営の取り組みを通じて、

  • 早めの体調の気づき(健診、超音波検査、面談など)
  • 相談しやすい環境づくり
  • 働き方・業務量の見直し

が進むと、結果的に離職や休職のリスクを下げ、採用・教育コストのムダを抑えることにつながります。

理由3:助成金・優遇制度の“土台”になりやすい

健康経営優良法人そのものに対する補助金だけでなく、
職場環境改善や産業保健活動、働き方改革に関する各種助成制度の申請時に、

  • 健康経営の方針が明文化されている
  • 取り組み実績が整理されている

というのは大きな強みになります。
「制度があるのに活用できない」という状態を脱するための、いわば“申請インフラ”になるイメージです。


4.「うちは小さい会社だから…」はむしろ追い風

中小規模法人部門の場合、従業員数が少ない会社の方が、

  • 対象人数が少なく、準備・運用がコンパクト
  • 経営者の意思決定が早い
  • 社内の合意形成がスムーズ

という大きなメリットがあります。
「人も時間も足りないから、今はまだ…」と考えがちですが、実は今の規模感だからこそ仕組みを入れやすいタイミングでもあります。


5.まとめ:最速ルートは「早めに準備を始める会社」が手にする

健康経営優良法人の取得は、特別なことをするよりも、「年1回のスケジュール」を理解した上で、準備を前倒しできるかどうかで決まります。

  • 申請期間は毎年だいたい8月中旬〜10月中旬
  • 認定は翌年3月頃に発表
  • 8月までに「宣言」「現状整理」「体制」「取り組み案」を用意しておく

この流れさえ押さえておけば、健康経営優良法人の取得は決して難しいものではありません。
そして、やらないまま数年が過ぎると、採用・信用・社内の健康リスクの面で、じわじわと差が開いていきます。

「いつかやろう」ではなく、「今年度の申請に間に合わせる」と決めるところから、健康経営は本格的に動き出します。


6.準備を一社で抱え込まないために

とはいえ、日々の業務を回しながら申請準備を進めるのは、大変に感じられるかもしれません。
その場合は、

  • 健診結果やアンケートの整理
  • 健康宣言や方針文書の作成サポート
  • 睡眠・腸内環境・ストレスなどのセミナー提供
  • 超音波検査を活用した健康チェックの設計
  • 申請書の書き方のアドバイス

などを外部の専門家に任せることで、社内の負担をぐっと軽くすることができます。

「うちでも健康経営優良法人を目指せるのか知りたい」
「今年度の申請に間に合わせたいので、準備だけ手伝ってほしい」
というご相談も歓迎です。まずは現状のヒアリングから、一緒に最適な進め方を考えていきましょう。

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